和精油 一十八日

和精油 一十八日

蒸留品目

クロモジ、杉、ニオイコブシ、紫蘇、薄荷 など

場所

福島県南会津町

目次

南会津町での蒸留

私達の活動するのは90%以上が森林という南会津町。かつては林業が盛んにおこなわれている土地でもありました。

南会津は神奈川県とほぼ同じ面積の2,342K㎡。その93%は森林という自然豊かな土地。

 一十八日(じゅうはちにち)は元々、日本各地の良質な精油を集め、販売するブランドとしてスタート。その際に木のディフューザーを取り扱っていましたが、その繋がりで南会津を訪れることがありました。

 南会津はその93%を森林が占めるという土地柄、古くから林業が盛んな地域です。しかし、近年の木材価格の低迷や過疎化による林業後継者の不足により、森林の荒廃がみられるなど他の地域と同じく、様々な課題を抱えていました。そこで、森林認証(SGEC)の取得をし、端材を余さず使い、木材だけでなく家具や木のおもちゃを作るなど、森林の価値を高めようと様々な取り組みをしています。

 精油作りの取り組みも、『里山の価値を高めたい』という地域の方々の希望と一十八日の和精油にかける想いによりはじまりました。「クロモジや杉がたくさんあるけど、ここのものでも精油が採れるのかな」という地元の方の言葉。それが、南会津に蒸留所をつくるきっかけになりました。かつて盛んだった南会津の林業に、これまでとは違う『精油生産』という形で少しでも貢献出来れば。活用されていない森を有効活用し、その価値を高めることが出来れば。という想いで始めた南会津での蒸留。今でもその想いは変わらず、地域に貢献する持続可能な循環型の精油生産モデルを目指し「活用のされていない植物や廃棄物から精油を抽出する」という取り組みを行っています。

南会津町は広葉樹の天然林が森林面積の75%を占め、針葉樹と広葉樹の混ざった森林が特徴。

地元のかたの協力とともに

 材料の採集には地元の方々の協力が欠かせません。一十八日では伐採の下刈りを兼ねてクロモジを採取させてもらっていますが、100㎏の材料を集めるのに大人の男性が何時間もかけて集めなくていけません。採集地、時期の情報提供や実際の採集など沢山の方の協力があって材料を集めることが出来ています。

南会津で採れるクロモジは「オオバクロモジ」という種類。関東以北から東北、北海道南部に分布しています。
切り口から爽やかな香り漂う。

 クロモジ以外にも杉やニオイコブシから精油を作っていますが、どれも『未活用資源を使った精油作り』というコンセプトからはブレないように、素材の採集方法には気を使っています。

南会津に自生するニオイコブシ、真ん中の赤い葉っぱが特徴。枝を折ると柑橘のような爽やかな香り。

会津香りプロジェクト

 また、2019年より会津地域の若手農家さん達と連携して『会津香りプロジェクト』という耕作放棄地を利用したハーブ栽培も行っています。主に薄荷と紫蘇を栽培していますが、少しづつ仲間も増え広がりが見えてきています。

会津産の薄荷。収穫しているだけで寒くなるくらいの清涼感。

蒸留工房

畑の真ん中にある蒸留所、南会津クラフトパーク蒸留所。蒸留所のまわりではハーブなどの栽培も行っている。

 今、南会津の蒸留工房では3台の蒸留器が活躍中。250リッター~500リッターで、蒸留する素材、精油の使い道などによって蒸留器を変えています。

木で囲んである通称「2号機」。いつもクロモジの蒸留で活躍してくれています。

 クロモジに限らず、精油の蒸留には色々な方法があります。材料を粉砕する大きさ、材料の詰め方、蒸留する時間、蒸気の当て方、温度…
 私達も「南会津かおる里山 クロモジ精油」として精油を世に出す前、本当に沢山の実験をして、香りや成分を確かめ、最適な方法を探ってきました。今でも少しでも香りの良いものをと考えており、データ取りは欠かせません。
 確かに、自然のものですので、その時々によって香りが異なることもあります。その中でも少しでも香りのブレを無くし、良い香りのものを皆さまにお届け出来ればと、今でも試行錯誤しながら蒸留を行っています。

蒸留でも地元の方々に活躍して頂いています

 蒸留が終わったら濾過の作業。精油とフローラルウォーターを分けたり、精油の中のゴミや不純物を取り除きます。オイルの質に左右される大切な作業です。

 その後は熟成。蒸留をした直後は独特の香りがします。因みに私達はこの香りを「蒸留臭」と呼んでいます。
 落ち葉のような、焼きいものような…実際に嗅いでみないと表現出来ないような香りなのですが、この「蒸留臭」を抜いて本来の芳しい香りにするために精油を寝かせます。

 寝かせるのにも色々な条件、時間があり、ここにもこれまでの実験の結果が生かされています。

濾過をして不純物や水分を取り除く。精油の状況によっては複数回濾過を行うことも。

アロマツアー

 一十八日では私達の精油づくりの取り組みや南会津の自然をより身近に感じて頂けるような取組が出来ないかと思い、『蒸留体験スタディーツアー』も実施しています。
 体験ツアーでは森林の散策のほか、アロマ(精油)の蒸留所での製造体験、南会津での取り組みの紹介などアロマを切り口とした様々なプログラムを体験して頂けます。
 一十八日の精油製造をすべてお見せするこのツアー。季節毎のアクティビティも魅力のひとつです。

 森林精油の香りの元となる『森の香り』を直に感じることの出来る体験ツアーは、心身共にリフレッシュ出来ると『ヘルスツーリズム』としても注目されています。

森の案内人が南会津の森をご案内。
蒸留の現場もお見せします。

 普段、使用している精油はどこで採られた植物で、誰がどんな風に蒸留をしているか、見て頂く機会はあまりありません。
アロマスタディーツアーでは普段、精油を蒸留するための植物を採取している『南会津の森を知り尽くしたスタッフ』が森の案内をいたします。

 ただの森林セラピーではなく、精油を採るということという側面から森を見ると色々な発見が。また、普段見ることの出来ない精油の蒸留も見て、香って、体験して頂くことが出来ます。採れたての精油の香りを嗅げるのはツアー参加者ならではの特典。普段お使いの精油とは違うフレッシュな香りを体験してみてください。

詳細情報

蒸留品目クロモジ、ニオイコブシ、杉、薄荷、紫蘇 その他、試験的に色々な品種を蒸留しています
場所福島県南会津地方 蒸留の素材は会津地域全域から収集しています
ホームページhttps://18th.co.jp
メールinfo@18th.co.jp
TEL050-1807-3591
シェアはこちらから
  • URLをコピーしました!
目次